「一人一人に向き合うことが大事だ、なんて優等生な言葉で済まさないで欲しい。」
ということと、「心のどこかで社会の隅にならいてもいいよということをしていないか」ということに対して。
いやむしろ、自分に復讐されることの方が多くないですか、と思う。
圧倒的な事実として、「寒空の下で逆さまになりながら月を眺めていた中学生のわたし」は社会構造いかんに関わらず、ただ泣いて泣いて涙ももう出なくなった目を夜の澄み渡った空に晒していたのです。
私はその時の孤独をきっと一生忘れない。
忘れてはいけないとさえ思う。
孤独は宙にさまよい続けながら、肌の冷たさに耐えるしかなかった私を、
「傷つくことを受け止めるのがこわかった」「だから別の何かを助けようとした」なんて優等生な言葉で片付けないで。