青頭巾

秋の小旅行ということで日光に来ています。

 

明日は1dayインターンシップということで、緊張もしていますが、とにかく旅行というものはいいものです。

 

奇しくも持っていった本は「雨月物語」。この中の「青頭巾」というお話を読みましたが、栃木市小山市の間にある大中寺にまつわるお話でした。

この富田という場所には行ったことがあって、ああおもしろいなぁと思う次第でした。

 

あらすじとしては、真言宗の知識の深いお坊さんが、北陸に行った帰りにかわいい男の子を連れて帰り、とても大切にしていたと。とはいえ、行事をサボるほどになってしまい、子供が病気でなくなった時はもう何もできず、とうとう埋葬するどころか子の遺体を食べてしまった

というカニバリズムなお話です。

そして人の墓を暴いたり人を追いかけたりしてその肉を食べようとする鬼になってしまういます。

 

この鬼と間違えられた旅の途中の高徳の僧、一夜の宿を求めた家でこの話を聞き、まあまあどうにか説得してみましょう

と鬼に会いに行くのでした。

 

印象深いのは、

「無明の業火の熾んなるより鬼と化したるも、ひとへに直くたくましき性のなす所なるぞかし」。

 

「江月照松風吹  永夜清宵何所為」

 

です。鉄輪の女に通じるものがある気がしますが、あの話は神道ですね。

いずれにしてもあるがままでいること、何かを受け入れること、欲をかかないとか無理をしないとかはとても難しいことですね。

 

今まで何かを知らない、失敗したことがないことの恐ろしさはそれかもしれません。