小川洋子『物語の役割』

ちくまプリマーク新書が好きで、「今ちょっと小難しいのを読む気になれないなぁ」という時に読んでいます。

 

小川洋子さんのエッセイ・小説はいくつか読んでいて、本の紹介などは「洋子さんの本棚」や河合隼雄との対談「生きるとは物語をつくること」にも収められていましたが、小川さんは物語を書く時にイメージから肉付けしていくということを知って少し意外だと思いました。

また、小説を「主題」や「ストーリー」から考えるのはつまらないのではないか、ということも言っていて、小川さんの物語のつくりかたはあくまでも現実をもとに想像の世界に導くやり方なのだと知りました。

今まで現実的な物の見方、描写(ルポルタージュのようなもの)からリアリティのある具体的な小説を読もうとばかりしてきたので、良い反省になったと思います。

 

金光教と「三月三十日の歌」のエピソードは印象深かったです。

 

小川洋子は暗いものが多い」と友達が言っていたけれど、この人の原点にはこういう経験があるんだとはじめて知りました。