どこにもいてどこにもいない

幼稚園の頃だったと思う。

ジャングルジムに2コ上の二人がいて、「入っていーい?」と聞いた。

一度またジャングルジムの外に出て、

もう一度「入れてー」と訊いた。

ジャングルジムの中は神聖な場所のようだった。あれは一つの境界だったのだ。

 

「あの子、さっきもきた子じゃない?」

 

という言葉に、どきっとしたことを覚えている。この感覚はその後何度経験しても慣れない。

 

中心にいる時はまだいい。

でも急にそれた時、私はそこに壁があると感じてしまう。

そこにずっといたいのに、何かで私が隔ててしまうし、そんなことするから私も隔てられてしまうのだ。

 

私が嫌いな言葉は「自分が特別だと思っているんだろう」という言葉で、それに対して私は今は「あなたにはオリジナリティーと呼べるものがないのか」と言うことができる。

 

でもこの宙ぶらりんな寂しさはいったいどうしたらなくなるだろう。

私はどうしてそこに溶け込むことができないんだろう。

なんで「尖ってる」とか言われるんだろう。

最近そうした孤独を抱えながら生きていくことにやっと意味を見出しつつある。もしかしたら本当によくある、どーでもいいことかもしれない。っていうかその可能性の方が絶対に高い。

 

たぶん、こだわるポイントがズレているのだ。