「寮で楽しかったことは何ですか?」

って就活で聞かれた時、答えられなかった。

 

辛かった、というのが最初に抱いた感想だったからだ。

 

後になって、良い思い出だってあるはずなのに、なんで私は最初に辛いことを思い出してしまうのだろう、と考え直した。

 

そしてまた寮で飲み、朝起きて

「わたしはこの人たちとぐだぐだと話をしていることが好きだったんだ」

と思い返した。

 

好きな人もいれば苦手な人もいて、

それでもその人たちを好きだと今思えるのはすごいことなのではないかと思う。

 

何もなかったわけではなくて

ここにあったんだ、という気がする。

 

この場所を離れるけど

(なぜなら半年後には友達の寮生が抜けて、そしたらここにはもう泊まれなくなる。本当のお別れがある。)

 

私はここが好きでもあったんだと

言える。

 

そして好きな人たちがいたんだって思える。