安岡章太郎は高知生まれの小説家で「第三の新人」の一人です。「海浜の光景」などが代表作で、1953年に「悪い仲間」で芥川賞を受賞します。娘の安岡治子さんはドストエフスキーの「地下室の手記」の翻訳を手がけたロシア文学者です。
きっかけはゼミの先生がなぜか話しかけてくれたこと。
先生「はちみつさんさー、小説読む人だよね?」
私 「はい、読みます」
先生 「ぼくさぁ この間安岡章太郎展に行ったんだよねぇ」
私 「あっ その人読んだことないです」
先生 「そうなの。まあとにかくぼくの学生時代のロシア語の先生が安岡章太郎さんの娘さんで、その写真があったりして感慨深かったよね」
私 (安岡章太郎... サーカス... 昭和...3人...)
という、全く噛み合わない会話がありました(てへぺろ)
とにかく・こうした経緯で神奈川近代文学館(愛称かなぶん)の安岡章太郎展に休日を有効活用して行ってみました。一人でどこかに出かけるのは春休みの京都一人旅以来だったので寒い日にも関わらずうきうきして出かけました。
元町・中華街駅を降りて広い川に興奮して撮った写真。
攻殻機動隊パトレイバーの映画に出てきた背景を見て以来、私は川というものを愛してやみません。
パトレイバーについては1作見ただけですが。
かなぶんは港の見える丘公園のはじっこにあるようでした。
港の見える丘公園に行くのははじめてだったので、井の頭公園よりもきれいな公園があるものだなと思っていました。
公園の中に井戸がありました。30mの深さの井戸で、この底に何が眠っているのか気になるところです。
さらにバラの咲き乱れる西洋庭園を抜けると...
じゃん!
ちなみに読売新聞にすごくよくこの展覧会のことがまとまっている記事があります。
〈安岡章太郎さん 生涯たどる展覧会 アクセス日:2016/11/23 14:38 〉
http://www.yomiuri.co.jp/life/book/news/20161115-OYT8T50010.html
展覧会では、写真や手紙の展示、小説の引用などとともに生涯について解説されています。
【感想】
ふつーに楽しかった。
いやもちろん、文学館に行って「超楽しかった!!」とか言えるような人間では私はないのですけれども、
でも全然読んだことのない小説家さんが、好きな小説家さんと繋がりがあったりして、ちょっとした発見でした。(たとえば私は角田光代さんと村上春樹が大好きなのですが、角田さんは開高健さんの「輝ける闇」に衝撃を受けたと行っていて、開高健さんと安岡章太郎の二人の交流が見える写真がありました。村上春樹は今回の展覧会の冊子に寄稿しています。)
そして感動する言葉にも出会えました。
1984年8月13日の毎日新聞の夕刊のインタビューで語られていることなのですが、これはちょっと多くの人にも読んでもらいたいなぁと思いました。
印象としては、すごく丁寧な人だな、ということ。自分のルーツを調べたり(家系図をつくっていた)、対談の様子についてもそうだし、(私の好きなドナルド・キーンとも対談していました)、犬やゴリラが好きだったり、体験したものについてはその都度書いていたり、すごく丁寧に拾う方だと思いました。
【その後】
ハワイアン・カフェでパンケーキもオムレツも頼まずコーヒーだけ飲んでささっとノートに感想を書き付けて帰りました。
途中、乗り換えの関係で武蔵小杉駅に降りたのですが、ものすごく感激しました。
なぜって駅と図書館が直結しているのです!!
統計調査帳もあって本のレパートリーも広く市民に愛されているパブリック・スペース川崎市立中原図書館。
座席が残っていなかったので気になった本のタイトルをiphoneにメモします。
下に降りれば東急ハンズがあるし
もう武蔵小杉すてきすぎ!
何年か前に住みやすい街ランキングにランクインしていて、その時はまだ武蔵小杉の価値に気づいていませんでした...
いいなぁ武蔵小杉。
◇安岡章太郎さんの作品についてはまた今度!