入道雲

大学に入学した頃、高校の時の友達と会った。確か池袋だ。

「高校に入学した頃は中学の時の友達が懐かしいといって、大学に入学した後は高校の時の友達の方が安心する。」

といったあとに、少しうつむく彼女の口から

「きっと、仲良くなるにはそのくらいの時間がかかるんだろう」

という言葉がぽろっとこぼれた。

「そのくらいって?」

「3年くらい」。

 

そうかな今も人間関係も楽しいけどなと思いながら、ふーんと聞いていたけれど

今思えばなるほどそうかもしれない。

 

これから大学の友達とご飯を食べるのだけど(私は大体仲の良い人と吉祥寺で会う傾向がある)、

一人は留学して、一人は地元の九州に戻って、一人は青年海外協力隊に行くのだと聞くとやはりすこしさびしい。

(もう一人の近況はまたここで聞くところだ)。

 

一人暮らしのアパートを出て、空を見上げると

制服姿で涼みながら「早く大学生になりたいなーーーー」と叫んでいたころを思い出す。

 

気がつくと大学生活に終わりが見えていて(むしろ終わらせないといけなくて)そのことに私は強い憤りを感じるのだ。

 

中学も高校も「早く終われ」と次のステージのことばかり考えていたから、私は自分の気持ちの扱い方にすごく困惑している。

 

だから大学院に行きたいって思うのだろうし、留年したいとか休学したいって思うんだろうな。

 

典型的なモラトリアムで、今ものすごく恥ずかしいのですが。