鍵を忘れる

実家にいたら鍵を持ってくるのを忘れてしまった。

 

なんでじゃろなー と思う。

 

はるばる2時間電車に乗り、

大学に寄って、

そうして家の近くのコンビニでハイボールを買った。

えっちらおっちら荷物を持って部屋の前に行くと5、6匹のやぶ蚊がいた。

鍵を探すとどこにもなくて

実家に電話すると「ベッドの上にあった」ということだった。

 

そしてまたえっちらおっちら移動する。

 

昔から、こういうよくわからないことというのがあって

たとえば連絡のミスで迎えが来ないので、英会話教室から家まで歩いて帰ったとか、

トロンボーンを担いでとぼとぼ歩いたとか、

自転車で北風にあたりながら2時間自転車で走ったということがあった。

 

なんででしょうね。

 

どうしてかなぁ。

 

わかりやすい困難というのはあまりなくて、

よくわからないことが起こって困って移動するという解決方法しか知らない。

 

旅をしつづけるスナフキンとは気が合うのかもしれない。

「遠くの声を捜して」感想

山田太一さんの「遠くの声を捜して」を

やっと実家近くの古本屋さんで見つけることができました。

ときどきこの古本屋さんには掘り出し物があります。

 

遠くの声を捜して、

は入国管理局の笠間さんという人が一人の不法滞在者を取り逃がしてしまうことから物語がはじまります。

 

河合隼雄さんは「よくこのように上手く向こう側に行ってしまう人を書いた」といって絶賛していました。心理学的な解説は「こころの読書教室」を読まれるとよいかと思います。

 

私がこの本を読んで感じたことは、

小説でしか語れないことというのがあるんだなぁというものでした。

 

最後はもやもやした終わり方ですが、

それでも生きていくということ、

「日常」と「非日常」の間にある淵のような、歪みのようなものを感じていくということ、それらと向き合うことが大事なのかもしれません。

 

こちらむけ我も寂しき秋の暮れ

 

ノルウェイの森と軽井沢

村上春樹ノルウェイの森 が好きです。

たぶんヒロインの直子がいたami寮にほど近いところの森は、私に幼い頃を過ごした軽井沢を想起させるためでしょう。

 

夏に軽井沢によく遊びに来ていました。

 

満天の星空を眺めたり、広い緑の葉の下を走ったり、コーヒーやパンを食べてゆっくり眠りました。

 

さて、何年振りかに訪れた軽井沢

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別荘が他にもたくさんできていました。

 

幼い頃には森の中の一軒家だと思われた場所も、ご近所さんができると少し楽しい。

 

牛乳屋さん、と言われるところで手製の白いバターを買いました。食べるとアイスクリームのようで、すっかり気に入ってしまいました。

 

午後には牧場を歩きました。写真にあるのが浅間山です。富士山のお姉さんの磐長姫の山とされています。活火山で2004年ほどに一度噴火をしました。

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あたりは森に覆われていて、牧場を歩き続けると「熊に注意」という看板が見えました。

さらに歩き続けると牧草を食べる牛を見ることができました。

 

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のんびりと草を食べる牛たちにはハエが唸ってとまりました。

 

のんびりとした風景で、

やっぱりこうしてのんびりと過ごすわけにはいかないのだろうか

と時々思います。

 

本を読んで楽器を演奏して、動物や植物を育てる生活に憧れます。

 

おしまい

 

 

月にまつわる三つのお話

月にまつわるお話を3つほど。

 

1.ムーンライト

 

アカデミー賞で作品賞を受賞したことで話題のムーンライトをやっとみてきました。

LGBTと黒人俳優が出てくることが特徴、と言われていますが

そんなことより何よりカメラワークと音楽や色彩が印象的でした。

近めの席だったので軽く酔ったくらい。

 

酔いすぎて何度席を立とうかと思ったか、という感じではありましたが

なんだかこう席を外すタイミングを見失って魅入ってしまう、という不思議な魔力のある作品です。

 

エンドロールになった時は

「え、もうおしまい!?」と拍子抜けするほどでした。

短編小説を読んでいるようです。

 

貧困、ドラッグ、イジメ、

などなど...

好ましからざるワードが出てくるのですが、

それよりも人間に焦点をあてた映画です。

たとえば泳ぎ方を教えてくれたおじさんはママにドラックを売る人だった、

唯一心を開けた友人は流されるままに主人公を殴る、

主人公は内向的だけど自分を鍛えていく、

ネグレクトな母親はそれでも息子に「愛している」と伝えるなど。

アーティステックな演出がなければもっと評価されたのでは? とも思いました。

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2.月と六ペンス

 

サマセット・モームが1919年に発表した小説です。興味深い言葉がいくつかでてきますが、その中でも「人間が自己矛盾を孕む複雑な存在である」という言葉が、ムーンライトの登場人物ともつながります。

舞台はイギリス→フランス→タヒチ

と移っていき、ある作家が知り合いの天才画家について知り合ってから死ぬまでの経緯を記すという形態で書かれています。

ミステリー小説のように引き込まれていくのがとても面白いところです!

 

3. 出産は満月の日が多い?

 

ウミガメや珊瑚の産卵は満月と潮の満ち引きによって行われるという話があります。(ギャラリーフェイクという漫画を読んで知っていた)

これはヒトのお産でも同じらしく。

そして生理も満月付近か新月のことが多いらしいのです! びっくり。

 

そういえば今日の生理はずいぶん重かったな...

 

と、月に関わることが多くある日でした。

 

 

 

いやいや、サイダー

夏ですね!

 

東京は30度を超えました。

 

私はそうした気温や気圧のアップダウンとタスクリストと4限の欧州統合史のテストに辛さを感じながら大学に登校しています。

そのあとはまたアルバイトの塾講をやってネカフェでレポートを作成します。

 

...........褒めて欲しい。

 

水曜日。

 

友達が泊まりにくる

大学生らしい1コマですね。

 

焼肉を二人で食べ、

シェリー酒とチーズを買い、

夜の公園を散歩しました。

 

不思議な感覚だなぁ

 

彼氏の誕生日プレゼントをネクタイかキーケースかで迷ってるとか

大したことは話していないけど

 

慌ただしく大学に行って

じゃあ と行って別れて。

 

昨日バイト先でもらった草だんごをわけあったりして。

 

貴重なお友だちです。

淵に立つ

カンヌ映画祭、高崎映画祭やキネマ旬報の邦画編で高い評価を得ていた「淵に立つ」をやっと鑑賞しましたー!

 

同時上映で「沈黙」をやっていたのですが、それよりもこの「淵に立つ」の方が好きです。

 

もともとこれは監督が平田オリザから影響を受けた言葉らしいのですが、

 

私は、 こういう映画を、みたかった!!

 

クーリンチェ少年殺人事件よりもインパクトあった気がする...

 

でもそういうこというと映画観てる人からボコボコにされそうな気がする..。

 

よくいるお父さん、お母さん、娘って感じですね。

そこに圧倒的な悪というか闇というかで存在している八坂(浅野忠信)。

 

もう出てきた瞬間から気持ちわるい!

 

シャツとズボン、敬語、手紙、オルガン。

浅野忠信が喋る度に「この人危ない」って思って観ていました。

 

その八坂に惹かれるお母さん(筒井真理子)もいるなー  って感じで。

信仰はプロテスタントだけど教会とか愛とかに酔ってる? ような。

(これを読まれる方が何か信仰をお持ちでしたらごめんなさい)。

 

お父さん(古館寛治)と八坂が昔殺人を犯した、というのはなんだか相棒的なシーンを思い浮かべることで納得しました。

 

結局小心者で自分の幸せのことを考えていたい、優位に立っていたい(人物にみえた)お父さんも八坂に引き込まれてしまったのだと思うと、なんだかやはり恐ろしい話です。

 

八坂という幽霊のような男に出会ってしまったばかりに、そしてどこまでもどこまでも逃げてきたために、

どこにも行けなくなってしまう。

 

うーん

現実に八坂のような人に会ったらどうすればいいんですかね。

 

人物像としては八坂は村上春樹の「アフターダーク」に出てくる「白川」にとても似ていると思いました。

よりその個人の闇が強調されているような気がしますけど。

 

なんか面白かったなぁー。